株主優待とは
株主優待とは、企業(株式会社)が株主に対して品物やサービスを提供したりする制度です。
優待内容はその企業が取り扱っている商品や食事券・割引券・入場券・お米・図書券など様々です。
株主優待を実施している企業は、1000社を超えており、上場企業の約4分の1になります。この制度は日本独特のものであり、諸外国ではほとんど例がありません。
■企業が優待を実施する目的
「自社及び自社の製品・商品・サービスの知名度を向上させる。」
「個人株主を増やすことにより、総株主数を増加させる。」
(上場基準の達成・流動性の確保)
「アンケートなど株主を通して消費者の動向を知る。」
「株価対策。」
「売り上げ増に貢献。」
「安定個人株主を増加させ、企業買収を抑止。」
などが考えられます。ただし、優待はあくまで企業の好意でありおまけです。
優待を行う法的義務はなく、優待の変更・廃止・新設について株主総会の承認を得る必要もありません。したがって、業績悪化等の理由で、優待が突然変更されたり、廃止
されたりする可能性は常にあ
ります。
■株主優待の魅力
持っている株数に応じて優待内容がよくなることもありますが、たいていの場合1単元(株式購入の最小単位)が投資金額に対してお得度が高いことが多いのです。つまり小額投資家にとって魅力的な制度と言えます。(お金持ちにとっては不公平ということになります。)実質利回りで換算すると数%以上になるものもあり、個人投資家に人気があります。
配当は税金がかかりますが、優待は一般的には課税されないのも魅力です。ただし、優待を換金した場合は所得となり、一定額以上は課税対象と考えられています。
■株主優待への批判
上記の内容は、立場が変われば逆のものとなります。機関投資家などの大口の株主にして見れば、優待を含めた利回りは低下する場合がほとんどで、大口の株主ほど不利になり、会社法109条1項の、「株式会社は、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない」に反するのではないかという疑いが生じます。
また、株主優待に力を入れるよりも、企業業績を上げ、企業価値を向上させ、配当を高めることで株主に還元するのが企業の本来の姿ではないかという声もあります。
優待チケットに関しては、飲食チェーン、鉄道会社、映画会社などの、株主優待チケットが金券ショップやオークションで換金され、これが、割引券となり、本来正価で購入するつもりの顧客が株主優待券を使うことによって、結果として会社の売上を減らす要因になっていおり、株主優待の本来の趣旨から外れているのではという批判もあります。
■優待の時期
日本の企業は3月決算が多いため、その決算に合わせて優待を実施する企業が多くなっています。優待をもらえる権利が確定してから実際にもらえるまでは時間がかかるため、実際にはお中元に近い時期に優待が送られてきます。また、年2回優待を行う企業はお歳暮の時期にも送られることが多いです。3月決算でない企業はその他の時期に優待が送られます。
■優待内容(業界別傾向)
外食産業・・・一番気前の良い業界です。投資効率大です。食事券が主流ですが、割引券を出す企業もあります。ただし、外食産業は参入障壁が低く、競争が激しいので投資はハイリスクと言えましょう。
小売業・・・自社の店舗の割引券を提供している所が多いです。高額商品の割引率の高い割引券は
オークション等で高値で取引されています。デパートは割引率が低く、メリットはあまりありません。(高島屋の10%、三越の7%引きを除く) スーパーや自動車用品店の割引券は人気
があります。ソフマップなど、自社の店舗で使える商品券を優待として提供するところもあります。
運輸業・・・割引券または乗車券の優待が多いです。そこそこの投資効率になるところがあります。
航空会社の優待券は頻繁に売買されています。鉄道ではJR西日本が、割引率が高く、高額で取引されています。
サービス業・・・思わぬ掘り出し物があります。自分で利用する人も多い?
製造業(食品、日用品など一般の消費者対象)・・・自社製品または、自社製品の割引券が多いです
。自社製品の場合は株主限定品のこともあります。限定品の場合はプレミア価格で取引されることがあります。
製造業(その他)・・・一般的な商品(野菜、お米券、図書券、クオカードなど)が多いです。
地方企業の場合、その土地の特産品を優待にするケースもあります。
建設・不動産業・・・優待にはそれほど熱心ではない業界です。一般的な商品、住宅の購入割引、ホテルの宿泊割引などです。
金融業・・・銀行では、利率の少し高い特別定期などがありますが、メリットはほとんどないでしょう。
企業の業種に関係なく、優待品の変わりに、社会貢献事業への寄付を選択できるものもあります。